
今シーズン遭難事故でその名が広く知れ渡った阿弥陀岳ですが、今回も八ヶ岳を知り尽くした地元のベテラン山岳ガイドMさんにお願いしました。
文三郎尾根からの一般ルートで阿弥陀の頂上を目指すルートなのかと思ったら、事前にメールで「今回は阿弥陀北稜のバリエーションルートから頂上を目指しましょう。」との事・・・
マジですか・・・
いつもながらスパルタなMさんならではのルート選定ですww
ネットで北稜ルートの情報を漁りまくり、ますます不安になりましたが、一年前に冬季赤岳縦走やったし、小川山でフリークライミングもやったから、総合力を試すよいチャンスなので素直に従うことにしました。
八ヶ岳山荘で待ち合わせしてMさんの車を美濃戸山荘にデポし、南沢から行者小屋を目指します。

初日は行者小屋までの移動なので、途中からルートを外れ南沢小滝でアイスクライミングにチャレンジしました。

というのも翌日の北稜ルートでは頂上直下でアイゼンをつけたままクライミングする箇所があり、このアイスクライミングでアイゼンのフロントポイント、前爪2本に体を預けて乗り込む感覚を掴むことが目的なのでした。
まずはMさんから氷壁の登り方のレクチャーを受けます。 その後トップロープで確保してからyukoさんがチャレンジ。

アイスバイルをうまく打ち込めなくてかなり苦戦、静止したスパイダーマンの様でしたww
アイゼンのフロントポイントの置き場所が悪いとズズッと落ちてしまいます。
続いて私

トップロープで確保されているので墜落の心配はないのですが、バイルの先端1cmぐらいとフロントポイントが氷に刺さってるだけでなので、5〜6メートルあがるとさすがにビビります。
バーチカルを上りきったところで、氷に刺さったバイルがなかなか抜けず力いっぱい引き抜いたら勢いあまって、ハンマー側が前歯を直撃ww
前歯の先っちょが欠けちゃいました。 orz
欠けた前歯が少々気になりましたが、それでも3本、4本と繰り返すうちにコツが掴めてきてフロントポイントに乗り込んで立つという感覚がわかってきました。
アイスクライミング 結構楽しいかも!!
3時間ほど氷壁遊びをして、行者小屋へ向かいます。

昨年は真っ白な八ヶ岳でしたが、今年はところどころ岩が見えてました。
行者小屋では美味しいビーフシチューを頂き、夕飯後に外へ出てみると空一面の星星
デジ一にアストロトレーサーを装着して星野写真を撮ってみました。
主峰赤岳とテント村

ガスを纏った阿弥陀岳とオリオン座

最適な露光時間がよくわからなかったのですが、まぁイメージどおりの写真が撮れました。
たっぷり睡眠を取って翌朝7時半に行者小屋を出発。

文三郎に向かう途中から右に折れ、阿弥陀岳に至るルートへ入ります。
今回目指す北稜ルートはこちら

尾根に上がってほぼ真っ直ぐに阿弥陀ピークを目指します。
尾根に上がるだけでも結構な斜度です。

ようやく尾根に上がりジャンクションピークでストックからピッケルに持ち替え、いよいよ本丸へ

写真を取る余裕もなく第一岩峰を這い上がり、第二岩峰の取り付きで先行パーティの登攀待ち

天候は晴れ、風もなく穏やかなので待っているのも苦になりませんが、コンディションが悪かったら辛いところです。
左手には一般ルートを行くパーティ

絵になりますね。
いよいよ、第2岩峰からマルチピッチでアタック開始!

無我夢中のなか、3ピッチでようやく直下のナイフリッジを通過

午前11時、無事2,805mの阿弥陀岳頂上に立ちました。

昨年登った赤岳もすぐ横に見えます。

割と広い山頂でしたが、登山者は数名、標高を記した標識は深い雪の下でした。
わずかな時間でしたが、山頂からの眺めを堪能し下山します。
下りは懸垂下降で第一岩峰の取り付きまで

各自セルフビレイを取って順番に下りていきます。4ピッチの下降で第一岩峰の下に下りました。

ようやく緊張から開放され一安心。
12時半に無事行者小屋に戻りました。

阿弥陀岳北稜ルートはバリエーションの入門ルートとの事ですが、やはり我々二人だけではまだまだ難しいルートでした。
しかし、アイスクライミングの楽しさを覚え、懸垂下降の技術はちょっと身についた気がします。
毎度Mさんにはお世話になりっぱなしですが、楽しい雪山山行ありがとうございました。




ペンタ機のアストロトレーサーでしょうか?
防滴仕様機はアウトドアには必須ですね
それにしても着々とスキルアップしてますねー。
雪山は普通に登るだけでひぃひぃな私には縁のない世界に思えますw
雪の稜線とか、見ているだけなら素敵なのですが。
この日は新月で星がとても綺麗でしたよ。
初代istD*がご臨終になってしまったので、先ごろ型落ちK-30をゲットしました。
ついでにO-GPS1も ^^;
面倒な極軸合わせとかしなくても、星を追尾してくれるのでお手軽に星景写真が撮れます。
こういうギミックはやっぱりペンタじゃないとですね〜
ホント最近は山ネタばっかりです。(笑)
雪山に関してはまだまだスキルアップというレベルじゃないですよ。
教わったことを実践で活かして初めてスキルと言えるし、その経験を積まないと本当の技術とは呼べませんね。
しかし無雪期も積雪期も山登りは奥が深いです。